高配当株投資を始めるにあたって、「どんな企業を選べばいいの?」という疑問は皆さん持っているはずです。日本の上場企業は数千社あり、全部の株を買うのはほぼ不可能です。ここでは「連続増配企業」というキーワードを軸に、信頼できる会社の条件を整理していきます。
■ 「連続増配企業」とは
連続増配企業とは、「毎年、配当金を少しずつでも増やしてきた企業」のことです。例えば、5年・10年・20年と増配を続けている会社は、株主還元の姿勢・経営の安定性が比較的高いと見なされます。
ただし日本では、「30年以上連続増配」という企業はごく少数で、現時点では 花王 がその代表例となっています。その一方で、アメリカの企業の中には何十年にもわたって配当金の金額を増やし続けている企業が数多くあります。
■ 信頼できる会社の条件(チェックリスト)
- 利益が安定している
売上・利益が振れ幅が大きくなく、景気変動などに耐える体力がある会社。 - 配当性向が無理のない水準
配当性向とは、「利益に対してどれだけ配当に出しているか」を示す割合。あまり高すぎると「今後利益が減ったら配当出せるの?」と不安になります。 - ビジネスモデルが理解しやすく、長期的に需要がある
例えば、必需品・生活インフラ・医療など、景気に左右されにくい分野。 - 株主還元方針を明確にしている
「安定した配当を出します」「利益の何%を配当に回します」といった方針を公表していること。これが信頼性の目安になります。 - 財務体力・キャッシュフローが健全
借金が多すぎたり、利益が出てもキャッシュが少なかったりすると、配当を維持・増配するのが難しくなります。
■ なぜこの条件が大事なのか?
投資初心者の方は「配当利回りが高い会社=良い会社」と勘違いしがちですが、実はそれだけでは不十分です。
例えば、短期間だけ配当を高く出していた会社が、業績悪化とともに配当を止めてしまったという事例もあります(前述のあおぞら銀行など)―このようなケースを避けるためには「信頼できる会社の条件」を押さえておくことが重要です。
連続増配という実績は、「株主還元を継続してきた証し」であり、株主として“安心して持ち続けられる可能性”を示す一つの指標になるのです。
■ でも注意も必要!
- 連続増配企業でも業績の下振れや事業環境の激変で増配が止まることがあります。
- 今後も需要が変わらないか、競争が激化していないか、などの事業リスクも見なければなりません。
- 配当利回りを重視しすぎて、割高な株価で買ってしまうと「購入時点で期待以上のリターンが出ない」こともあります。
■ まとめ
株を選ぶとき、「どんな会社か?」「配当は本当に安定して出せるのか?」を基準にすることが重要です。少なくとも「連続増配」を掲げている企業は株主還元に積極的であることに変わりはありません。そのような企業だと私たちは「安心」してその銘柄を長く保有することができます。
連続増配の実績、ビジネスの安定性、配当性向の適切さ、財務体力、株主還元方針などをチェックして、「将来もお年玉が期待できる会社」を少しずつ探していきましょう。

