※いずれも2025年11月16日現在
高配当株を探していると、どうしても銀行や商社、エネルギー企業などが目に入りがちです。しかし実は、景気に左右されにくく、安定収益を積み上げているIT企業も存在します。その代表例が、イーエムシステムズです。
同社は、調剤薬局向けの**レセコン(調剤レセプトコンピュータ)**を主力とする医療IT企業です。レセコンとは、薬剤師が調剤業務を行う際に、処方内容や保険請求を管理するためのシステムで、調剤薬局にとっては“なくてはならない必須ツール”です。全国の多くの薬局で同社のシステムが導入されており、医療業界の裏側を支える存在といえます。
■ 医療×ITは「需要が消えない」ビジネス
医療業界は景気が悪くなっても需要がなくなることはありません。人は年齢を重ね、必ず医療サービスを必要とします。その中でも調剤薬局は、超高齢社会の日本において今後も一定の需要が続く分野です。
さらに、医療×ITという組み合わせは非常に強力です。一度システムを導入すると、他社製品へ切り替えるには操作の再教育やデータ移行など多大な手間がかかります。そのため、乗り換えが起こりにくく、長期的な継続利用につながりやすいのが大きな特徴です。
イーエムシステムズは、まさにこの「解約されにくい構造」を持つ企業なのです。
■ ストック型収益が生む安定感
同社のビジネスモデルの最大の強みは、ストック型収益です。
レセコンは売って終わりではなく、毎月の利用料が継続的に発生します。つまり、契約が積み上がるほど売上が安定して増えていく仕組みです。
また、電子薬歴(薬局版の電子カルテ)やクラウド型システムなど、周辺サービスも展開しており、薬局の業務全体をITで支援する「ワンストップDX」を推進しています。これにより、1つの顧客から得られる収益をさらに高めることができています。
■ 配当と財務の安定性
配当利回りはおおよそ3%前後と、超高配当ではありません。しかし、重要なのは「無理のない配当」である点です。安定したキャッシュフローを背景に、継続的に配当が支払われており、インカムゲインを着実に積み上げたい投資家に向いています。
財務面も非常に健全です。自己資本比率は高く、現金も潤沢。借入依存度が低いため、大きな景気後退や突発的な経済ショックが起きても耐えられる体力を持っています。まさに“守りが強い”企業です。
■ 今後の注目ポイント
今後の成長を支える材料も揃っています。
- 調剤報酬改定に伴う業務効率化ニーズ
- 薬剤師不足によるIT活用の加速
- 電子薬歴・クラウド型レセコンの普及
- 医療DX推進という国策的な追い風
高齢化が進む日本において、調剤薬局の役割は今後も重要であり、その業務を支えるイーエムシステムズのビジネスは、長期的に見ても安定成長が期待できます。
■ まとめ
イーエムシステムズは、派手さはないものの、
- 医療×ITという強固な事業基盤
- 解約されにくいストック型収益
- 健全な財務と安定した配当
を兼ね備えた、長期保有向けの堅実銘柄です。
「大きく値上がりする株」ではありませんが、
「安心して持ち続けられる株」を探している方には、ぜひ注目してほしい1社といえるでしょう。


