配当利回りが高いと、つい惹かれてしまいますよね!
「年10%ももらえるの?銀行預金より断然お得じゃないか!」
しかし、ちょっと待ってください。
“高配当すぎる企業”には、思わぬ落とし穴があるのです。どういうことか、詳しく解説していきます!!
■ 1. 株価が下がっているだけかもしれない
配当利回りは「年間配当金 ÷ 株価 × 100」で計算されます。
つまり、株価が下がれば下がるほど利回りは高く見えるのです。
たとえば、1株あたり配当が100円の企業があり、株価が2000円なら利回り5%。
しかし株価が1000円に下がれば、利回りは10%になります。
このとき、会社が儲かったわけではなく、単に株価が下がって「高配当に見える」だけなのです。
株価が下がっているのはさまざまな要因があります。もしも、売り上げが下がっているから株価が下がっているのであれば、将来、配当金が減らされる可能性は十分あります。せっかく高配当株を買ったのに本末転倒ですよね・・・
■ 2. 業績が悪化している可能性
先ほども少し説明しましたが、株価が下がるのには理由があります。
多くの場合、業績の悪化や不祥事など、何かしらのネガティブ要因があるのです。
つまり、「高配当株」ではなく「業績悪化株」になっている可能性があります。
実際、2024年のあおぞら銀行のように、高配当を続けていた企業が突然無配になった例もあります。あおぞら銀行については今後、詳しく解説していきます!
とにかく、「高配当=安定」とは限らないことを覚えておきましょう。
■ 3. 無理な配当が企業を苦しめる
企業が利益のほとんどを配当に回してしまうと、将来の投資に使えるお金が減ってしまいます。
すると、新商品開発や海外展開が遅れ、業績の成長が止まってしまうのです。
やがて利益が出なくなり、配当も減らさざるを得なくなる――これが「減配スパイラル」です。
配当金が高い=企業の成長が止まる可能性がある ということを覚えておいてください。
■ 4. 「配当性向」に注目しよう
配当性向とは「利益のうち、どのくらいを配当に回しているか」を示す数字です。
50%前後なら健全ですが、80〜100%を超えている企業は要注意。
例えば、あなたの月の手取りが20万円なのに、25万円の部屋を借りているとします。これは果たして「持続的」でしょうか。最初はなんとかなるかもしれませんが、いつかは息切れして、その部屋に住めなくなってしまいます。
利益が減れば、たちまち減配や無配になるリスクがあります。無理をしている企業に投資をするのは黄色信号です。
■ 5. 本当に“持続できる高配当”を探そう
理想は「無理なく利益から配当を出している会社」です。
たとえば、通信・インフラ・食品・医薬品など、安定需要がある業界の企業は、長く高配当を続けやすい傾向があります。
これらの企業の特徴は「不況」でも安定した利益を稼ぐことができることです。例えば、2020年のコロナショックでは多くの企業の株価が下がってしましました。それは、経済が減速して企業の売り上げが減ってしまう可能性があると世界中の投資家が考えたからです。
とはいえ、そのような不況時でも生活するうえで絶対に必要なものってありますよね? そう、それが医薬品や通信です。景気がよかろうが悪かろうが医薬品は必要です。
つまり、景気に関係なく安定して需要のあるもの(人々が生きていくうえで必要なもの)は安定して売り上げを出すことができます。
■ まとめ
「配当利回りが高い=お得」とは限りません。
- 株価下落による“見かけ上の高さ”
- 業績悪化のサイン
- 無理な還元による企業の疲弊
これらのリスクを理解し、「なぜ高配当なのか?」を必ず確認しましょう。
安心して長く持てる“健全な高配当株”こそ、あなたの老後資産を支える味方になります。


