気づいたら増えてた借金。
返しても返しても終わらないリボや、複数社からの借入。
「この先どうしたらええん…」と詰まりそうなときほど、知っておくべき“脱出ルート”がある。
このページでは、借金の種類や金額、収入に応じて
どんな制度を選べるか、どんな手順で抜け出せるかを「具体的に」まとめた。
借金の状況別、選べる解決策(あえて少し厳しめに見とこう)
仮にあなたの年収が300万円だとすると、
借金額ごとにこんな分かれ道がある。
借金額 | 状況の目安 | 年18%の利息 | 解決の選択肢 |
---|---|---|---|
100万円 | すでに生活に圧迫あり | 約18万円/年 | 任意整理 or 家計改善でもギリギリ |
300万円 | 年収と同等で危険水準 | 約54万円/年 | 任意整理 or 再生検討ライン |
700万円 | 完全に返済不能 | 約126万円/年 | 個人再生 or 自己破産を検討すべき |
リボ払いや消費者金融のリアル例
身近な「50万円」の借金でも、返済総額は72万円に…
たとえば、消費者金融で50万円を借りて、月1.5万円でリボ返済(年18%)した場合:
項目 | 金額の目安 |
---|---|
月の返済額 | 1.5万円 |
月の利息(初期) | 約7,500円(元本ほぼ減らず) |
完済までの期間 | 約4年 |
総返済額 | 約72万円(利息だけで22万円) |
同じ月1.5万円返済で、100万円借りたら地獄になる
今度は100万円を月1.5万円で返したらどうなるか?
項目 | 金額の目安 |
---|---|
月の返済額 | 1.5万円(据え置き) |
完済までの期間 | 約9年半 |
総返済額 | 約171万円(利息だけで71万円) |
金額が倍でも、返済ペースは据え置き → 利息で2倍以上払うハメに。
借金が「ゆっくり減ってる」んじゃない。ゆっくり殺されてるだけかもしれん。
月々払えてるから大丈夫じゃなくて、「それ、何年で終われるのか」が大事やで。
各制度の詳細と判断ポイント
【任意整理】
利息カット&毎月の返済額を減らす「分割交渉」タイプ
● 何が変わる?
- 利息が0%に → 月々の返済が大幅に減る
- 督促・取立てが止まる
- 裁判所不要、比較的スムーズに手続きできる
● こんな人に向いてる
- 借金100〜300万円前後で返済能力がまだある
- 安定収入あり(※月15万前後は必要)
- 毎月3〜5万円の返済を3〜5年間続けられる人
- 家や車などの資産を残したい
● デメリット
- 信用情報に5年間ブラック登録
- 整理できない債務(奨学金・税金など)もある
- 弁護士費用:1社あたり2〜4万(例:5社で10〜20万円前後)
● 手続きの流れ
- 弁護士に相談・契約(法テラスで費用分割も可)
- 各債権者へ「受任通知」送付 → 督促ストップ
- 取引履歴開示・残債額の確定
- 分割返済プランを交渉・和解
- 月3〜5万円で3〜5年かけて返済スタート
【個人再生】
借金そのものを減らして分割で返す「圧縮型」再生制度
● 何が変わる?
- 借金総額の5分の1まで圧縮
- 住宅ローンを残して持ち家を守れる(住宅資金特別条項)
- 原則3年(最長5年)で分割返済
● こんな人に向いてる
- 借金500〜1000万円前後
- 年収250万円以上の安定収入がある
- 家を手放したくない
- 自己破産は避けたい
● デメリット
- 官報に掲載(一般人にはまず見られない)
- 書類が多く、手続きが煩雑
- 再生計画が裁判所に認可されないこともある
● 手続きの流れ
- 弁護士に相談・契約
- 受任通知→取立てストップ
- 財産・収入・支出・借入の調査/報告書作成
- 再生計画案の作成→提出
- 裁判所で認可→再生スタート
- 月3〜4万円程度を3年返済し完了
【自己破産】
借金を帳消しにする最後のセーフティネット
● 何が変わる?
- 借金がすべて免除される(税金・養育費は除く)
- 収入は生活にそのまま使える
- 生活保護や支援と組み合わせて再出発できる
● こんな人に向いてる
- 借金総額>年収で返済不能
- 所得が少ない/働けない
- 資産を処分しても返せる見込みがない
● デメリット
- 信用情報に7〜10年ブラック登録
- 官報に掲載/一部職業に制限あり
- 20万円以上の資産や車などは基本処分
● 手続きの流れ
- 弁護士へ相談・契約(法テラス利用も可)
- 受任通知送付 → 督促・返済ストップ
- 財産・負債の調査/申立書作成
- 裁判所へ破産申立 → 面接 or 審尋
- 免責決定 → 借金チャラ
- 公的支援制度などを使い生活再建スタート
よくある失敗と注意点
- 「自分は対象じゃない」と思って放置 → 利息で雪だるま化
- 家族に黙って抱え込む → 結果的に全員巻き込む
- 任意整理で済んだはずが、判断ミスで破産に…
今すぐできること(行動フロー)
- 紙かスマホメモで借金額・金利・月返済額を全社分書き出す
- 「法テラス」or「弁護士 無料相談 ○○市(自分の住んでる地域)」で検索
- 相談予約:「借金の返済が難しく、解決方法を相談したくて…」
金利は“敵”にも“味方”にもなる【借金と投資の比較表】
元本 | 借金10年後(18%) | 借金20年後(18%) | 投資10年後(6%) | 投資20年後(6%) |
---|---|---|---|---|
100万 | 約523万円 | 約2,737万円 | 約179万円 | 約320万円 |
300万 | 約1,570万円 | 約8,211万円 | 約537万円 | 約961万円 |
700万 | 約3,661万円 | 約1億9,158万円 | 約1,253万円 | 約2,243万円 |
年18%の利息を“放置”するだけで借金は数倍に膨らむ。
同じ金利でも「投資」なら逆に“味方”になってくれる。今は守るタイミングかもしれんけど、いつか攻めに転じる日が来る。
その時に“金利”の意味を知ってるかどうかで、未来の資産は大きく変わる。
最後に:選べる人は、もうその時点で強い
借金の悩みは、何も恥ずかしいことじゃない。
制度を使って立て直すのは「逃げ」じゃなくて「戦略」。
誰かに決められるんじゃなく、自分で選んで進む。
それが“まねこ道”の伝えたいこと。
あなたは、もう選ぶ側に立てる。
でも、もし今は“守る時期”なら…使える制度は、ちゃんと用意されてる。
次は「生活を立て直す制度」についても、知っとこうか。
借金で詰まった後に「生活を立て直す制度」もある
返済に行き詰まり、仕事を辞めざるを得なくなった。
病気で働けなくなった。
誰にも頼れない状況で、もうどうしようもない…。
そんなとき、ちゃんと“使っていい制度”がいくつかある。
【失業給付(詳細は別記事で解説)】
自己都合退職でも、待機期間7日+給付制限1ヶ月で失業保険が受け取れる時代。
収入がゼロになる前に、まずは「受け取れるお金」があるか確認しとこ。
【職業訓練(ハロートレーニング)】
● 特徴
- 月10万円+交通費がもらえる
- 「無料の職業学校」に通える
- IT・介護・事務・調理など多ジャンル
● 対象者
- 離職中で就職意欲がある人
- 失業保険受給中 or 給付終了後でも申込OK
● ポイント
- 雇用保険に入ってなくても対象になる場合あり
- 実技中心で転職実績も高め
【生活保護】
● よくある誤解を払拭
- 「働けない」「頼る人がいない」状態なら対象になる
- 親族の“扶養照会”はあるが、実質無視されるケースが多い
- 持ち家・車があっても「すぐには処分しろ」とは言われない
● もらえる金額のイメージ(単身・家賃3万)
- 生活扶助:約40,000円
- 住宅扶助:約30,000円
→ 合計:約70,000円支給+医療費0円
● ポイント
- 働けるようになるまでの“猶予”をくれる制度
- 必ずケースワーカーが相談に乗ってくれる
- 「最終手段」じゃなく「最初の一歩」として見てほしい
【短期支援制度】もある
● 住居確保給付金
- 家を失いそうな人向け
- 最長9ヶ月、家賃相当額を補助(5万〜7万など)
● 緊急小口資金・総合支援資金
- 上限10万円〜20万円を無利子で貸与
- コロナ以降、審査は比較的やさしめ
【税金・社会保険料の免除・減免】
● 住民税の非課税基準(2025年以降)
- 単身者の場合、前年中の合計所得が45万円以下であれば、住民税非課税となる
● 国民年金保険料の免除
- 所得が一定以下の場合、全額または一部免除が可能
- 免除申請は市区町村の窓口で行う
● 国民健康保険料の減免
- 失業や収入減少により、保険料の減免が受けられる
- 申請は市区町村の窓口で行う
制度を知って、使える人が「本当に強い」
制度に頼る=悪じゃない。
知ってた人が助かった。
知らなかった人が、追い詰められただけ。
ほんとは「逃げた」んじゃなくて、
「立て直す準備をした」だけやで。
ここまで読んでくれて、ありがとう。
道に迷っても、立ち止まっても大丈夫。
ゆっくりでええから、今の自分にできる選択を。
まねこ道は、いつでもそばにおるからにゃ!